消化器の
疾患について
逆流性食道炎について
胃の中で胃液と混ざり合った食べ物や胃液そのものが食道に逆流する病気です。胃液は強い酸性のため、食道に逆流すると、食道の粘膜を刺激して食道の粘膜がただれたり、潰瘍ができたりします。
逆流性食道炎が起こる主な原因としては、食道と胃のつなぎめにある筋力の低下があげられます。通常は、この筋肉が胃液の逆流を防いでいるのですが、加齢などによってゆるむと、胃の中のものが簡単に食道に戻ってきてしまうのです。これまでは高齢者の病気と考えられていましたが、最近では若い人にも増えています。ムカムカする感じなどの胸焼け症状が多く、内視鏡によって診断することができます。
バレット食道について
治 療
バレット食道とは、食道と胃のつなぎ目付近が胃の粘膜に置き換わっている状態をいいます。原因については、胃酸や胆汁の食道への逆流(いわゆる逆流性食道炎です)によっておこるといわれています。炎症を起こした食道粘膜が修復する過程で表面の細胞が胃の粘膜に置き換わっていくと考えらえています。このバレット食道はアジアよりも欧米で頻度が高く、そしてがんの発生母地となるため内視鏡による定期的な監視が必要になってきます。
食道静脈瘤について
食道粘膜の下にある静脈が膨れて、血管がこぶのようになる病気です。肝硬変の患者さんに多くみられます。原因となっている肝臓の病気が進行すると血管が破れて出血することがあります。
症 状
静脈瘤自体は無症状ですが、原因となる肝硬変の症状(手のひらが赤くなる、胸のあたりに血管が浮き出る、疲労感、倦怠感、黄疸(おうだん)など)がでます。静脈瘤が破裂した場合に吐血や下血などがおこります。
原 因
門脈圧亢進症:
肝硬変などの肝臓の病気が進行すると門脈と呼ばれる肝臓へ流入する血管の中の血液が滞ってきます。その結果、食道や胃の静脈の血液量が多くなってこぶの様にふくれる静脈瘤ができます。
検 査
内視鏡検査が基本となります。
治 療
出血予防と出血に対する治療があります。いずれも内視鏡による治療ですが肝臓の治療を多く手がけている専門の施設で行うことをおすすめ致します。