当院で可能な検査について

Medical Test

内視鏡検査による
がん発症リスク診断

内視鏡検査を行って異常があるのか、ないのかを判断するのは可能です。しかしながら、それはその一瞬を内視鏡で見て判断しただけに過ぎません。もちろん、特殊な内視鏡を用いて精密に検査することは重要ですが、今後、どういう病気がどこに発生しやすいのかということを、内視鏡検査の際に評価することも非常に大切だと考えています。
当院では内視鏡検査の際に下記のような「がん」の発症するリスクを個別に評価し、お伝えすることにしています。詳細については当院で説明しますが、ご自身の生活歴なども合わせて評価することになります。

咽頭がん
発生のリスク
診断

               

咽頭の観察は特に気をつけています。観察の際、声を出して頂くと②図のようにのどの領域を広範囲に観察することができます。このときに特殊な観察モードで「がん」がないかどうか判断します。

           

お酒をたくさん飲む習慣のある方、今はやめていても過去にたくさん飲んでいた方は、咽頭がんの発症リスクが高いです。お酒を飲んで顔が赤くなる体質の方は特に要注意で、咽頭がん、食道がんの発症リスクが通常よりもぐっと高くなります。また、同じようなところにがんが多発するという現象が起こるのも特徴です。それはどういうことかというと、口腔(口の中)がん、咽頭がん、食道がんは一連の同じ組織で覆われており、同時多発、または違う時期に、がんが多発しやすいということもわかってきました。内視鏡検査で咽頭がんを見つけることが可能になってきましたが、見つけたことが無いとそれを認識することもできませんし、「そういう眼でみる」ということが何より大切です。咽頭の観察は見落としが多い場所です。それは他の食道や、胃、大腸などのように管状ではなく、とても入りくんでいるからです。そのため観察するためには色んな工夫や技術が必要です。私のライフワークのひとつは咽頭の領域を詳細に観察し、がんを早い段階で見つけることでしたので、そのノウハウはたくさん持ち合わせております。特に飲酒歴やアルコール分解酵素の有無、特徴的な内視鏡所見によって咽頭がんの発生リスクを評価していきます。

食道がん
発生のリスク
診断

ごく初期の食道がんの内視鏡写真:見た目からはどこに腫瘍があるか、よく分かりません

発見困難な凹凸のない「がん」は色素と呼ばれる染色液を使って探す方法もあります。正常な粘膜がヨードで茶色に染まるのに対し、がんなどの異常のある部分は染まりません。これはヨード‐でんぷん反応を利用した方法です。茶色く染まっていない部分が「がん」の領域です。

ヨード染色をすることなく、表面の血管が茶色く見えるように色調を変化させて診断することもできます。ヨード染色で染まらなかった領域が茶色く描出されます。
(*1〜3は同じものを見ています)

ヨード染色後、まだらに染まらない領域が描出されることがあります。この所見があれば今後、食道がんが高い確率で出現することが分かっています。

食道がんの発生リスクは咽頭がんの発症リスクと同様で、飲酒との関連が強く指摘されています。一度食道がんになった方は次から次へと新たながんが発生してくることもあります。それはこれまでのアルコール摂取による蓄積が組織を傷害し、がんができやすい下地にしているためです。内視鏡で食道を観察すると今後がんができやすいかどうかがよく分かります。当院で採用している内視鏡は光の波長を集約し、食道がんを見つけやすくする工夫をしています。食道がんに特徴的なある所見があれば今後食道がんがどれだけできやすくなるかと言うことが評価できますので是非検査を受けるようにしてください。

バレット
食道からの
発がんリスク
診断

バレット食道がんの前がん病変を画像で評価します。
①の白色光と比べ、②の“LCIモード”ではより鮮明に抽出されるためバレット食道がんの発見に有用です。2つのモードを対比しながら検査をすすめます。

欧米では食道がんといえばバレット食道がんです。日本では聞き慣れない名前かもしれませんが、ある一定の頻度で存在し、徐々に増えてきていると言われています。胃酸が胃から食道へ逆流し、長い期間経過すると食道と胃のつなぎ目がただれてきます。これをバレット上皮といい、これが恒常化すると前がん病変といわれる状態に変化します。この段階で異常を察知すれば適切な治療を受けることができますし、今後がんが発症しないかどうか定期的にチェックすることもできます。まずは逆流性食道炎やバレット上皮の内視鏡診断をしっかり行い、今後発生するかもしれないバレット食道がんに備えておけば良いと思います。

胃がん
発生のリスク
診断

萎縮の広がりを画像で認識することで胃がん発症のリスクを評価します。
同じ方の胃の中を見ていますが、②の“LCIモード”の方が境界が鮮明です。この境界を視認することで将来、胃がんができやすいかどうか判断できます。

胃がんの発症にはピロリ菌感染が必要条件です。ピロリ菌感染をもとに慢性的な胃炎が持続し、ある条件が重なった結果、胃がんが発生すると考えられています。そのある条件とは今のところ不明ですが、内視鏡検査で胃炎の広がりなどを評価すると今後できやすいかどうかが判定できます。
当院で採用している内視鏡は色調の変化を捉えることに特化した技術で、ピロリ菌感染の有無が分かるようになりました。そして、ピロリ菌が引き起こすいわゆる慢性胃炎(萎縮性胃炎)の広がりが胃がん発症のリスクも評価することができます。
上下水道の整備などでピロリ菌がすみにくい環境になってきましたので、若い世代のピロリ菌感染率はぐっと下がりました。今後、胃がんを発症する方はどんどん減っていくと予想されますが、ピロリ菌を除去したからといってがん発症のリスクが無くなるわけはありませんので定期的な検査を受けるようにしましょう。

大腸がん
発生のリスク
診断

大腸がんの発症リスクが高いとされるSSLの発見にLCIモードが有効です。
同じポリープを見ていますが、“②のLCIモード”の方がSSLを鮮明に抽出します。

大腸がんの発生には主に2つあります。
いきなりがんが出るパターン、もう一つがいわゆるポリープ(腺腫)が大きくなって発がんするパターンです。大腸がんの発生を抑えるには「大腸がん検診を受け、陽性と指摘されたら大腸内視鏡を行い、ポリープがあれば切除する。」が基本です。
最近、新たな大腸がんの発生経路が注目されるようになりました。
それは次に挙げる、SSL(鋸歯状腺腫)からの発がんです。

SSL:鋸歯状腺腫(きょしじょうせんしゅ)とは「鋸のような歯の形をしたポリープ」と読むことができます。これは顕微鏡で見ると表面がぎざぎざして鋸のような形をしているためそう言われています。 これまでは単なるポリープのひとつで注目されませんでしたが、多くの研究の結果、発がんのリスクが高いと言うことがわかってきました。この鋸歯状腺腫は通常では見つけにくいのですが「そういう眼でみると」見つけやすくなります。特徴としては表面に粘液が付着しているなどがありますが、これも最新の画像処理を用いると発見しやすくなります。この鋸歯状腺腫をより発見しやすくなる内視鏡による観察モード(LCIモード)を用意していますので、ぜひ体験してみてください。

〜 内視鏡検査の特徴 〜

AIによる診断

画像強調の技術を用いた
精密内視鏡検査

内視鏡によるがん
発症のリスク診断

麻酔(鎮痛剤、鎮静剤)を
用いた無痛検査

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